カナダを歩こう2023

ハイキングとトレッキング

日本語のニュアンスの「ハイキング」と、英語で言う「ハイキング」は、内容がちがいます。
英語圏で「山へ行く」といったら、クライミングかハイキングかに分けられ、ロープ等を使って岩や氷を登るものを「クライミング」、二本足で歩いてゆくものを「ハイキング」としています。
そのハイキングには、日帰りで行ってくるデイハイキングもあれば、テントを担いで縦走する山行もハイキング、山小屋をはしごする山行もハイキング、と言っています。要するに、南アルプスだの穂高連山の縦走であっても「ハイキング」に分類し、ハイキングとよびます。
日本語的に、「体力がなくなってきちゃったから、私、これからはハイキング程度にするわぁ」という方が時々いらっしゃいますが、それはたぶん、運動量の少ない山歩きのことを言おうとしているのだと思います。しかし、英語圏のニュアンスにあてはめるとそうはいきません。前述の通り、縦走登山もハイキング。ですから、ツアーのご案内では「トレッキング」の呼称を使用しています。
また別のケースで、「スイスでハイキングが出来た(体力的な面で大丈夫だった)から、カナダでもハイキングをしようと思って…」の場合、カナダの方が明らかに脚力を要する歩きになります。自然の環境を保つためカナディアンロッキーでは、スイスのように便利な公共の交通機関が作られているわけではありません。山の中へと踏み込んで行くためにはそれなりの装備(たとえば、予備の衣類や食料等)を携えたうえで自らの足を運んでいかなければない、ということを覚悟していただく必要があります。
このように、日本語ニュアンスの「ハイキング」と区別していただくために、Aスタのツアーではあえて「トレッキング」という単語を用い、日本語のハイキングと混同しないようにしています。
ハイキングとトレッキングのちがいは、そこ。
「パンツ」と聞いたとき、あなたはどっちパンツを想像しますか。下着のパンツか、ズボンのことか…。それと似たようなものです。

コースをデザインしているガイド・クロサワは、カナダ山岳協会のプロフェッショナル試験を通り、協会認定ライセンスを保持するプロの「ハイキング・ガイド」です。
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